いつ頃からでしょうか、「卒業旅行」と称して学生が旅行を楽しむようになったのは。しかも、行く先は海外にまで及んでいます。思えば私が若い頃には、「卒業旅行」という言葉さえなかったと思います。
高校の修学旅行で行った京都が忘れられなくて、友人といつかまた行こうと約束しました。私たちは高校卒業後、すぐに就職してOLとして働いていました。1年間、旅行のために貯金をして、京都への旅行を実現しました。高校卒業から1年過ぎてしまいましたが、思い返せば、あれが私たちにとっての卒業旅行だと思っています。
なかでも、一番の思い出になっているのは、舞子姿になって人力車に乗ったことです。
まあ一種のコスプレのような、一日舞妓さん体験ができるコースがあったのです。今の私にはとてもできないことですが、当時の私は若かったせいか、迷わずに挑戦したのです。
舞妓さんの白塗りって、とても強烈ですね。でも、かなり厚く塗っているので、自分が誰か分からないくらいになっていました。だから、かえって恥ずかしくなかったんですよね。
人力者に乗っている間は快適でした。でも、その日は春先にもかかわらず、日差しが強い日だったので、かなり暑苦しかったことを今でも鮮明に記憶しています。私なんかよりも人力車を引いてくれたおじさんは、もっと暑くて大変だったでしょうね。仕事とはいえ、ほんとうにありがとうございましたと、今でも言いたいくらいです。